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「逆転調査」
伊野上裕伸　文藝春秋

井野上さんの本も随分読んだなーと思う今日この頃。
今回も、読み応えの割にはスピード感あってあっという間に読んでしまいました。
…原稿の締め切りからの逃避もありますが…ぼそ。


保険の調査員の相沢は上司から結婚調査を依頼される。
本来の仕事ではないと突っぱねるも、会社がらみの関係でどうしても引き受けて欲しいと。
興信所の経験を持つ相沢がうってつけの存在だったのだ。

横浜の病院の跡取り息子が奄美大島の僻地にいって
そこで、結婚するという。
その相手の女性の身元などを調べて欲しいということだが
跡取り息子の嫁にはふさわしくないという気配が漂う
乗り気でないが、しぶしぶと調査をする。

すると、ブティックを経営する姉の店舗が火災にあう。

それをきっかけに病院のっとりの陰謀などが
複雑に絡み合っていく。

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かなり、リアリティーあるのですが、
ハードボイルドなんですよねー。今回の作品は特に。
調査員のはずなのに、命狙われたり。

病院を担保に次々に資金を集めるその仕組みにかなり驚きました。


表紙の作品説明に「現役の保険調査員である著者が医療界の暗部を探る本格社会派ミステリー」とありました。

まだ現役だったんだ…。
今回の登場人物の相沢はまさに伊野上さんご自身のことだったりしてなんて思ってみたりしました。